ストレートな君

「だからサボってもバレないし、美乃梨さんと一緒に帰れるんです」




嬉しそうにそう言って、私の手をぎゅっと握りしめてきた智哉。





その瞬間、忘れかけていたことを思い出す。






「......智哉」



「何ですか?」




不思議そうにキョトンと首を傾げた智哉に対して、ガタガタと震える私。






「え、美乃梨さん? 大丈夫ですか?」





「...智哉、大変」




大変だよ、ともやん。



「え?」



未だに不思議そうな顔をしている智哉。




智哉、気づいてないの?










「私達ずっと手繋いでた」




「......へっ?」




大変だよ、ともやん。




私、智哉にぎゅっと握りしめられるまで気づかなかった。




それまで、ごく自然と手繋いでた。





な、何てことを私は...‼︎









何てことを私はしてしまったんだ...‼︎