ストレートな君
☆優しさ
あれから時間は刻々と過ぎていき、気づけば最悪な放課後がきてしまった。
「それじゃー山原掃除よろしくな。教室掃除の班は今日は掃除なしだから。いいかー?」
...そんな担任の先生の言葉と共に。
あーあ。萎えるよ。
ほぼ放心状態に近い私の耳に、微かに先生の「解散‼︎」という言葉が聞こえた。
...これから1人で掃除かぁ。
ほんと何の仕打ちなの。
教室掃除を1人でするなんて時間がいくらあっても足りない。
...ちょっと大袈裟に言い過ぎちゃったか。
しかも智哉にまだ連絡してないし、しなきゃいけない。
小さくため息をつく。
「美乃梨ー‼︎ じゃ、ウチ帰るから。また明日な‼︎」
「あ、菜央‼︎」
そそくさと教室から出て行こうとする菜央に声をかけた私。
「もう帰るの?」
手伝ってほしいな。
と内心期待を持つけど、菜央のことだからきっと手伝ってくれないだろう。