ストレートな君
「うん? 美乃梨さんどうかしました?」
不思議そうに見てくる智哉。
「......」
これは私がチラッと見るところを見事に見られてたっぽい。
じゃないと目は合わないもん...‼︎
「美乃梨さん?」
──チンッ
智哉が再び私の名前を呼んだ時、丁度1階に着いたと知らせる音が響いた。
「智哉、着いたよ」
危ない危ない。
このまま1階に着いてなかったら問い詰められる所だったよ。
再びふぅーと小さくため息をつく。
この時初めて、私の家の階が14階で良かったと思った。
14階って結構不便だからね。