ストレートな君



エレベーターから降りると歩き出す。



「あの、美乃梨さん。さっきどうしたんですか?」



まだ気になってる様子の智哉。



「あ、あー」



どうしよう。




「......?」




不思議そうにしている智哉を見て目に入ったもの。



「...さっきから思ってたんだけど、智哉寝グセついてるよ」



「えっ⁉︎」


智哉の頭を指指した瞬間、ガバッと頭を押さえる智哉。


「ああぁ、美乃梨さん見ないで‼︎」



くるりと私に背を向けて黙り込んだ智哉。



「えええ?」


無理でしょ。


しかも智哉顔真っ赤。



「照れ屋さんだねぇ」



ははっと思わず笑ってしまう。




「うう、そんなことないです‼︎ からかわないで下さいよ〜」




チラッと私を見てスタスタと歩き出した智哉。




「からかってないよ。可愛いから私はいいと思うよ」




走って智哉の横に行くと顔を覗き込む。





未だに顔が赤い智哉。




ふふっ。可愛いなあ。


「ちょっと笑わないで下さいってさっきから言ってるじゃないですか〜‼︎」





プンプンと言いそうなほど怒っている様子。





...ほんと可愛い。




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