ストレートな君
「そうだね。あと少し......」
...あれ。
私、智哉と普通に話してたから気付かなかったけど...
もしかして手伝ってくれてる...?
智哉は机を運んでは次の机を運んでをテキパキと繰り返している。
そんな智哉を見て思わず頬が緩む。
......ふふっ。
優しいなぁ。
「ん? 今、美乃梨さん笑いました?」
「えっ?」
運んでいた手を止めて私を見てきた智哉。
とっさに緩んだ頬を隠す。
...もしかして顔に出てた?
しかも私思いっきり頬緩んでたよね⁉︎
きっとだらしない顔してたはず...‼︎
「ふふって聞こえたんですけど」
「......」
顔じゃなかった...‼︎
いやでも私、声に出てたってことだよね。
......油断できない。