ストレートな君
智哉はどこか抜けているけどいつもストレートな言葉をぶつけてくる。
あと割とすぐ顔が赤くなって顔に出るから分かりやすい。
しかも男の子なのに、クリクリした目してるし甘いもの好きだし、何かと可愛い所が多い。
だから余計にね、可愛いと思うんだよ、ともやんよ。
あ、ともやんはたまに出る智哉のあだ名。
私が勝手に心の中でそう呼んでるだけ。
でも......智哉にともやんって言ったらどうなるんだろう。
ははっ...おもしろ。
想像するだけで笑えてくる。
「ちょっと美乃梨さ〜ん。いい加減笑うのやめて下さいよ〜」
「だから笑ってないって」
笑ってるの気にしてたら気が気じゃなくなっちゃうよ、ともやん。
「もういいです。こんなにゆっくりしてたら学校遅刻しますよ」
そう言って私の手首をぐっと引っ張って歩き出す智哉。
「......」
意外と力強いんだ。
いつも話してバイバイで、智哉に触ったこともないから気づかなかった。
「ともやん男の子だねぇ」
少し前を歩いている智哉を見て呟く。
「僕高校2年生ですよ? どっからどう見ても男の子ですって」
ピタリと立ち止まって前を向いたままそう言った智哉。
「あ、そうだよね」