ストレートな君




智哉はどこか抜けているけどいつもストレートな言葉をぶつけてくる。



あと割とすぐ顔が赤くなって顔に出るから分かりやすい。



しかも男の子なのに、クリクリした目してるし甘いもの好きだし、何かと可愛い所が多い。






だから余計にね、可愛いと思うんだよ、ともやんよ。





あ、ともやんはたまに出る智哉のあだ名。




私が勝手に心の中でそう呼んでるだけ。





でも......智哉にともやんって言ったらどうなるんだろう。




ははっ...おもしろ。




想像するだけで笑えてくる。



「ちょっと美乃梨さ〜ん。いい加減笑うのやめて下さいよ〜」




「だから笑ってないって」




笑ってるの気にしてたら気が気じゃなくなっちゃうよ、ともやん。




「もういいです。こんなにゆっくりしてたら学校遅刻しますよ」




そう言って私の手首をぐっと引っ張って歩き出す智哉。




「......」




意外と力強いんだ。




いつも話してバイバイで、智哉に触ったこともないから気づかなかった。




「ともやん男の子だねぇ」




少し前を歩いている智哉を見て呟く。




「僕高校2年生ですよ? どっからどう見ても男の子ですって」




ピタリと立ち止まって前を向いたままそう言った智哉。





「あ、そうだよね」



< 5 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop