恋愛日和
深海にいるような、涙いっぱいの夜。
悩める時も、幸せな時も、
当たり前だけど地球は回っている。
どんなときでも、1日の始まりはやって来る。

今の自分には、まぶしすぎる朝日に目を覚ます。

パソコンに突っ伏して寝ていたんだ。

鏡の前で、自分の顔をチェック。
目が腫れていて、キーボードの跡まで残ってる。
こりゃ大変だ。
明日からは気をつけよう。

ダッシュで準備をする。

「陸上部で鍛えられたこの足、ど根性があればなんとかなるかもしれないよ。そうだよ皐月。」

他に話す相手もいないので、自分に自分で言い聞かせると、オニの住む家に向かうような心境で始発に近い電車に飛び乗った。

第一印象が肝心。
ここは一発、やる気のある新人だって思ってもらわなくてはね。

従業員用の扉が壊れてしまうのではないかと思うくらいの勢いで、思い切り扉をこじ開けた。
立ち直りは早く、勢いだけは良いんです。




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