あなたの事が好きなんです。



その後すぐに美和と高橋くんが帰って来て2人の熱唱が再開。

私と長谷川くんは結局1曲も歌わずカラオケを後にした…。



「ごめん!麗華!!完全に忘れてた!!」

高橋くんたちと分かれた後、美和は目的を思い出して後悔し始めた。

「長谷川と2人きりで、大丈夫だった?」

「うん、まあ…意外と喋りやすいしいい人っぽいよ」

「え?!喋ったの?!」

美和は相当ビックリしたようです。




「そっか…じゃあ本当に何で麗華を見てくるんだろう」

長谷川くんとの会話の内容を話すと、美和がうーんと唸りだした。

「やっぱり、高橋くんに近づかないでほしいんじゃないかな。私が高橋くんの事好きって気づいてたみたいだし…」

「てことは………ホモ?!」

「え?!?!」

こうして、2人の間に長谷川くんのホモ説が生まれたのでした。







「いやー、やっぱりイケメンは多いって言うしね…」

次の日の学校でも美和の興奮は治まらない。

「いやー、でもあの長谷川がね!!
まさかあのクールな男が!!
まさか!!まさかホモだとは「俺ホモじゃねえんだけど」


振り向くとそこには長谷川くんの姿。


「あ…えっと…」

思いがけない長谷川くんの登場に、美和の表情が歪む。


「朝比奈、ちょっと」

そういって無理やり長谷川くんに連れて来られたのは人気のない廊下。

「これ」

はい、と言って渡されたのは見覚えのある黒の長財布。

「え、これどこに…?」

「昨日店から俺に忘れ物があるって連絡きた」

「あ…ありがとうございます」




「で、何で俺がホモになってるわけ?」

「そ、それは…」

明らかに機嫌が悪そうな顔を恐る恐る見上げる。

「あ…いや、なんか…
高橋くんのこと見張ってるというか…」

「は?」

「なんか…私を高橋くんに近づけたくないみたいだから…」

「………」



そして私は、彼から発せられた言葉に驚愕させられた


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