あなたの事が好きなんです。
戸惑い
目を赤くして戻ってきた私を見て、美和が駆け寄ってくる。
「何!?あいつに何かされた!?」
焦る美和を落ち着かせ、事情を話した。
「嘘…でしょ」
美和にとっても衝撃的だったみたいで口が開いたままになっている。
「じゃあ、今まで麗華を睨んでたのは…嫉妬!?」
「…そういう事なのかな」
「もー!!もっとややこしくなるじゃない!!
麗華は蓮が好きなんだからあいつは引っ込んでて欲しいわ!」
美和は長谷川くんの言動が気に入らないみたいでずっと文句を言っている。
私には長谷川くんの発言は理解できず、きっとからかわれてるんだと自分を納得させようとした。
しかし…
「おい、朝比奈」
あれから1ヶ月…休み時間になる度に教室に来る長谷川くん。
「美和!麗華ちゃん!」
長谷川くんが来るって事はやっぱりこの人も来るわけで…
「ちょっと蓮、うるさい」
「何だよ冷てえな〜」
文句を言われてもへこたれず、美和の隣に座ってくる高橋くん。
そして長谷川くんは迷わず私の隣に座る。
長谷川くんは特に何か話すわけでもなく、たまに私が持っているお菓子を「ちょうだい」と言って貰ったりするだけ。
だんだん美和も長谷川くんと話すようになり、お昼時間も二人が来てくれるので、私たち四人はそれなりに馴染んできた。
「あ!皆さぁ、クリスマス予定とかあんの?」
ふと思い出したように高橋くんが尋ねる。
「あたしらは彼氏もいないし、2人で過ごす約束してる~!」
ねーっ!と、首を傾ける美和に笑顔で頷く私。
「じゃあさ!みんなで遊園地行かねえ?」
「遊園地?」
「隣の席の奴がさ、雑誌のキャンペーンでチケット当たったんだって!
行く人いねえからって貰ったんだよね〜」
ジャジャーン!と効果音をつけてポケットからチケットを取り出して見せる高橋くん。
「へぇ~!じゃ、無料で行けるってこと?」
「そ!だから皆で行こうぜ!!」
高橋くんの提案でクリスマスは4人で遊園地に行くことになった。