あなたの事が好きなんです。
「おばけ屋敷だって〜」
「楽しそうじゃん!」
少し休憩して元気になった私たちは
おばけ屋敷に入ることにした。
1時間程並んで、ついに私たちの番。
「4名様でよろしいですか?」
スタッフの方が笑顔で聞いてくる。
「あ、はい「2名でーす!」
美和がハルの腕を引っ張って店員に向かって指を2本立てる。
「は?」
「え?」
「おいっ!」
蓮とハル、そして私は美和の予想外の行動にフリーズ。
「失礼しました。それでは先に2名様、お入りください」
「おい、ちょっと待「はーい!!」
ハルが反論しようとしたが、美和がハルの腕をがっちり掴んでぐいぐい引っ張っていく。
「おい!お前どういうつもりだ!」
「いいじゃん!あたしもハルと仲良くしたいも〜ん」
そう言って引き返そうとするハルを無理矢理入り口へ向かう。
いってらっしゃ〜い!と2人の背中に向かって笑顔でいうスタッフ。
「いってきま〜す!」
そう言って振り返った美和は私に向かってウィンクをした。
「え…なんだあれ」
ポカーンと口を開けて2人が入って行った入り口を見つめる蓮。
「み…美和もハルと仲良くしたかったんだよ!」
慌ててそう言ってみた。
「そうか?」
「そうだよ!前にそんなこと言ってた気がするし!」
少し疑っているみたいだけど無理矢理納得させる。
「麗華は、怖いの平気?」
「うん、多分大丈夫!
蓮…くんは?」
さすがに呼び捨てにするのは慣れなくて、つい"くん"付けしてしまう。
「俺も全然大丈夫!」
それに気付いているはずなのに、笑顔で答えてくれる彼。
私が距離をつくってしまっている…
分かってはいるけど、どうしても恥ずかしくて呼び捨てでは呼べなかった。
「では次の2名様、お入りください!」
しばらくして、ついに私たちの番が来た。