あなたの事が好きなんです。
頑張ると決意したのにも関わらず、いつの間にか年を越して、いつの間にか1月が終わろうとしていた。
「なあ、俺バレンタインはチョコじゃなくてクッキーがいいな〜!」
蓮くんがニヤニヤしながら私たち2人におねだりする。
「私はあげませーん!」
美和が蓮くんに向かってべーっと舌を出す。
「何だよ、小さい時は毎年くれたじゃねえかよ〜」
「あれは小さい時でしょ!」
また小さな言い合いを始める2人。
「どうせ俺たち以外にあげる奴いねえだろ?彼氏もいねえくせに」
「……」
蓮の言葉に顔を赤らめる美和。
「え?…もしかして、美和…」
「あたし、彼氏できたんだ〜」
ニヤッとしながらピースをする美和。
「私聞いてない!!」
「俺も聞いてねえ!!」
「俺は興味ねえ」
私と蓮くんとは正反対につまらなさそうにするハル。
「本当最近で、年明けぐらいから付き合い初めたんだけど
1つ上の先輩なんだ~!
ずっと言うタイミング伺ってたんだけど、ごめんね!」
謝りながらも嬉しそうな顔をする美和。
「へぇー、お前もそんな顔すんだな」
照れながら話す美和をバカにする蓮くん。
「うっさいなあ!」
「よかったじゃん、本当に好きなんだろ?」
蓮の言葉に少し顔を赤くして頷く美和。
「美和…私まで嬉しいよ〜」
思わず泣きそうになった。
ハルは相変わらず興味が無さそう。
「とにかく、あたしは本命しか作らないから!
貰うなら麗華から貰ってね!」
「え?」
「そっかー、じゃあ麗華!よろしくな!」
「あ…うん!!」
どんな形であれ、蓮くんにチョコをあげる口実ができた。
「俺はチョコよりクッキー派」
「…はい?」
興味無さそうだったハルが私向かって言う。
「えー!俺はチョコ派だけど…
しょうがねぇな、俺はハルの分の残りでいいや」
「え?」
ハルの残りなんて…
本命は蓮くんなのに。
これには美和もため息をつく。
「…わかった。2人にはクッキーあげるね」
やっぱり蓮くんの優しさに対しては何も言えなかった。