あなたの事が好きなんです。




頑張ると決意したのにも関わらず、いつの間にか年を越して、いつの間にか1月が終わろうとしていた。




「なあ、俺バレンタインはチョコじゃなくてクッキーがいいな〜!」

蓮くんがニヤニヤしながら私たち2人におねだりする。


「私はあげませーん!」

美和が蓮くんに向かってべーっと舌を出す。


「何だよ、小さい時は毎年くれたじゃねえかよ〜」

「あれは小さい時でしょ!」

また小さな言い合いを始める2人。



「どうせ俺たち以外にあげる奴いねえだろ?彼氏もいねえくせに」

「……」

蓮の言葉に顔を赤らめる美和。



「え?…もしかして、美和…」

「あたし、彼氏できたんだ〜」
ニヤッとしながらピースをする美和。

「私聞いてない!!」

「俺も聞いてねえ!!」

「俺は興味ねえ」


私と蓮くんとは正反対につまらなさそうにするハル。



「本当最近で、年明けぐらいから付き合い初めたんだけど
1つ上の先輩なんだ~!

ずっと言うタイミング伺ってたんだけど、ごめんね!」

謝りながらも嬉しそうな顔をする美和。


「へぇー、お前もそんな顔すんだな」

照れながら話す美和をバカにする蓮くん。

「うっさいなあ!」

「よかったじゃん、本当に好きなんだろ?」


蓮の言葉に少し顔を赤くして頷く美和。


「美和…私まで嬉しいよ〜」

思わず泣きそうになった。


ハルは相変わらず興味が無さそう。

「とにかく、あたしは本命しか作らないから!
貰うなら麗華から貰ってね!」


「え?」


「そっかー、じゃあ麗華!よろしくな!」

「あ…うん!!」


どんな形であれ、蓮くんにチョコをあげる口実ができた。



「俺はチョコよりクッキー派」


「…はい?」


興味無さそうだったハルが私向かって言う。



「えー!俺はチョコ派だけど…
しょうがねぇな、俺はハルの分の残りでいいや」


「え?」


ハルの残りなんて…

本命は蓮くんなのに。


これには美和もため息をつく。

「…わかった。2人にはクッキーあげるね」

やっぱり蓮くんの優しさに対しては何も言えなかった。




< 27 / 39 >

この作品をシェア

pagetop