あなたの事が好きなんです。

決意





「夕貴先輩、チョコです!」


美和がこんな乙女っぽい顔をしてるの始めてみた。


夕貴先輩とは、噂の1つ上の彼氏さん。
中学時代やってた部活の先輩で、高校に入ってから連絡を取り合うようになり、今に至ったらしい。

お昼時間に、夕貴先輩にチョコ渡すと言う美和についてきた。


「ありがとう!」


そう言って優しい笑みを浮かべる先輩に負けない程の笑みを浮かべる美和。


バレンタイン当日を迎え、学校中が色目きだっている。





ちなみに私は、散々悩んだ挙げ句
蓮くんに渡すチョコと、ハルのクッキーを両方用意した。





「麗華もさ、早く蓮に告白しなよ~?」

夕貴先輩の後ろ姿を見送りながら言う美和。




「私、今こんなに幸せなんだもん、早く麗華にも幸せになってほしい!」


「美和…」


夕貴先輩を見送っていた幸せそうな視線を真剣な眼差しに変えて、私に向ける。

「このままだと蓮はどんどん遠くなっていくよ?」


「わかってるけど…」




「出た。麗華の"わかってるけど"

わかってるなら行動に移さなきゃチャンスはどんどん過ぎていくだけだよ!」


「…うん」



美和の言う通り。


日にちが経つ毎に、蓮くんの勘違いを訂正しずらくなっていく。


蓮くん以外は事実を知っていて、騙しているような気持ちにもなる。





蓮くんの為に作ってきたチョコを手にとってみる。





「…美和








私今日、伝えるよ。」















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