あなたの事が好きなんです。
「懐かしいね~!ここ、あれ以来だよね」
「うん…」
あの時は彼の顔を見たり、同じベンチに座ることすらできなかった。
今は自然に2人並んで座れる。
「で、どうした?ハルにバレンタイン渡してほしいとか?」
「……そうじゃ…なくて…」
まだ彼の勢いに押されそうになるのを、必死に止める。
緊張で震えているのを彼に気付かれないように、ギュッと手を握る。
「私は……
蓮くんが好きなの……」
怖くて下を向いたまま顔を上げることができない。
まるで、時が止まったかのように何もない時間が流れる。
そろそろ顔を上げてみようか、なんて考える余裕が出てきた頃
彼の口が開く。