あなたの事が好きなんです。
諦め
チャイムが鳴り、教室に戻って午後の授業をやり過ごした。
「ほんっとに、大丈夫?」
「大丈夫だって。
早く行かないと、先輩待ってるでしょ?」
"バレンタインは先輩と用事があるから"
ってずっとウキウキしてた美和。
失恋したばかりの私に気をつかっているのか、なかなか教室から出ていかない。
「何かあったらすぐLINEしてね!」
そう言い残して美和は帰って行った。
「はぁ…」
つい、ため息ばかりついてしまう。
ボケーっとしていると、いつの間にか教室から人はいなくなっていた。
いつもなら放課後は蓮くんとハルが来て、美和と4人で帰ったり、そのまま遊びに行ったりしていたけど…
「今日は流石に来ないよね…」
静かな教室に虚しく響き渡るため息。
「誰が来ないって?」
「ハル…」