あなたの事が好きなんです。
「あ~スッキリした~!」
1人で2時間歌いきった私は、お店を出て思いっきり伸びをした。
「あ、ありがとうございました」
お会計をしてくれたハルに深々と頭下げる。
「おう」
素っ気ない返事をして、自販機であったかいコーヒーを買うハル。
次に私の分のホットココアも買ってくれて、カラオケの隣にある公園のベンチへ腰かけた。
「あったか~い
ありがとう!」
お礼を言ってもそっぽを向いてしまう。
さっきのカラオケ、1人で盛り上がりすぎたかな…
なんて心配になってしまう。
「スッキリしたか?」
「…え?」
もしかして、心配してくれてる…?
「ま、あんなに1人で歌ったら普通スッキリするだろうな」
「…すいません」
軽く頭を下げる。
「まぁ良かったわ、元気そうで」
「え?」
頭を上げた瞬間、クシャッと頭を乱暴に撫でられた。
つい、真っ赤になってしまった私。
「あ、照れてる?」
そう言って、不適な笑みを浮かべて顔を近づけて来る。
「ちがっ…!」
否定しようとしたけど
実際男の人にこんなことされたの初めてで、
耳まで真っ赤になったこの姿では説得力なんて欠片も無い。