あなたの事が好きなんです。
「送る」
そう言ってくれたハルに、黙ったまま付いて行く。
「何から何まで、本当にありがとう」
家の前に着くと、きちんとお礼をした。
「じゃ、明日」
「うん」
歩き出そうとして、ハルが足を止める。
「……蓮のことだけど」
思わず息をのむ。
「お前のこと、嫌いなわけじゃねぇから」
「…うん」
「明日はあいつも連れて来る」
「うん、ありがとう」
「あ、ハル!」
私は、カバンからクッキーと
蓮くんにあげるはずだったチョコを取り出した。
「これ…両方あげる!」
「…2つ?」
「蓮くんに…渡せなくて…」
「…」
あ…嫌だったかな。
黙り込んでしまったハル。
「ご…ごめん
蓮くんにあげるつもりだった物なんて、嫌だよね…」
そう言ってチョコをしまおうとしたら
その腕を捕まれ、チョコを奪われた。
「これでお前がバレンタインにチョコをあげた相手は、俺だけってことで」
ニヤッと笑いを浮かべて、また頭をクシャッと撫でられる。
そして
「サンキューな!」
そう言って帰って行った。