噂の年下男
そんな訳で、急遽優弥の勝負服を買いにいく俺たち。
変装もそこそこで、街に出る。
俺は帽子。
慎吾は眼鏡。
賢一に至っては、変装すら無しだ。
実は俺たち、あまり人に気付かれない。
それは、プライベートはお馬鹿だからだろう。
カッコイイFとはあまりにもかけ離れていて、別人だと思われることもしばしばなのだ。
それなのに……
「艶!?あれ、艶じゃない?」
少し繁華街に出ただけで、注目を浴びてしまう。
無理もない。
優弥はまたまた派手な服を着て、艶オーラをバリバリ出すから。
黒いコートに白い皮パン。
いかついブーツイン。
首元は赤いマフラーだ。
そして、左サイドをコーンロウにした金髪。
家畜みたいなピアス。
トンボみたいなサングラス。
その見た目だけで、変人だと分かる。