噂の年下男
「紅(べに)」
たーくんの声で、現実世界に引き戻されたあたし。
あたしは慌ててたーくんの肩に触れ、身を寄せる。
「ごめん、たーくん。
長時間のフライトで疲れていて」
「わわ……分かってるよ、紅」
たーくんは真っ赤になって、身を縮める。
そんなたーくんが可愛い。
「無理矢理誘ってごめん。
ランチの後、家まで送っていくよ」
「ありがとう。
ランチはお寿司がいいな。
日本食が食べたくなるの」
たーくんはもちろん、あたしの言葉に従う。
そして、高級な寿司屋に連れていってくれる。