噂の年下男
「あんた、何してるのよ」
再びぶっきらぼうに言ったあたしに、
「お前こそどこにいる」
優弥は静かに聞く。
……は?
お前!?
そこにイラつくのは当然として、優弥、何を言ってるんだろう。
待ち合わせ場所、間違えてるんじゃないの?
あたしの視界には、優弥なんていない。
「あたし、ちゃんと待ち合わせ場所にいるけど?
えっと……自動ドア出て左の柱」
慌てて言う。
きっと、優弥はあたしの言った通り、左の柱に行くだろう。
残念ながらあたしがいるのは右の柱。
優弥のダサファッションを見納めして、逃げるに限る。