噂の年下男
時間はあっという間に過ぎ去った。
辺りが夕陽で赤く染まっていた。
微かに帽子から溢れる優弥の金髪も真っ赤に染まり、思わず見惚れていた。
金髪なんて嫌いなのに。
目立つし、品がないし。
なのに、今日の優弥は金髪でも許せてしまう。
「優弥?
あのアイスクリームの店、すっごく有名なのよ?」
あたしは優弥と手を繋いだまま、少し離れたところにある小さな店を指差す。
小さな店なのに、長い行列が出来ていて。
優弥だったら、並ぶのなんて嫌だと言うんじゃないかと思った。
それなのに、
「アイス、好きなのか?」
優弥はあたしに聞く。
頷くと、目を細めて
「蒼みてぇだ」
嬉しそうに言う。
こんな優弥に、またまたどきんとしてしまう。
今日のあたし、すごくおかしい。