噂の年下男
そんな中……
「戸崎さん」
先輩に呼ばれ、慌てて姿勢を正す。
先輩はすごく不思議な顔であたしに言った。
「ファーストクラスのお客様が、あなたを指名しているらしいわ。
どうしてもと言って、聞かないらしくて」
「……え」
ぽかーんとして先輩を見る。
何それ、何かの間違いじゃない?
「今日はあなた、ファーストクラスに行ってちょうだい?」
訳が分からない。
それより、客からの訴えで担当変更することなんてあるの?
嫌な予感がしてならないが、あたしはファーストクラスへと急ぐ。