噂の年下男







「紅、何食いてぇ?」



そう聞いた優弥に、



「高級ホテルのフルコースディナー」



言ってやる。



「もちろん優弥のおごりで」



「……そうか」




優弥はふっと笑う。

顔が熱を持ち、思わず顔を背けた。




それにしても、優弥ってこんなに笑う男だったの?

それも、こんなに楽しげに。






「仕方ねぇな。

フルコースでも食べに行くか」




そう言った優弥を見て、思い直した。





駄目だ……

こんな派手で変な服の優弥と、高級ホテルのディナーだなんて。

周りの目が痛い。

そして、優弥を見てさらにチカチカする。






「やっぱりあんた、カップラーメンでも食べてな」




そう言い放っておもむろにその場を去ろうとしたが……

腕をぎゅっとつかまれた。



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