噂の年下男
当然だ。
正気なら、一刻も早く帰る。
優弥なんかに無駄な時間を割いていられない。
……のに。
「やだぁ。優弥といたいっ!」
あたしは優弥の腕にしがみつく。
アルコールのせいでストッパーが外れたようで、おかしな感情が次々と溢れてくるのだった。
優弥と一緒にいたい。
もっと話がしたい。
楽しい。
優弥が好き……。
え!?
好き?
そんな訳ないよ。
あたしの正気と狂気が激しくぶつかり合う。
「……ガキかよ」
優弥はため息まじりに言う。
ガキの優弥にガキって言われたくない。
……なんて、マトモな考えは思い浮かばなくて。
くらくらする身体で必死に立ち、
「お願い。……一人にしないで」
優弥にすがっていた。