噂の年下男
それにしても、優弥は酒豪だ。
こんなに飲んで、酔っ払うそぶりもない。
だけど、口達者にはなるみたいで。
黙って聞いているあたしをよそに、話を続ける。
「俺はこんな性格だから、人間関係上手くいかなかった。
周りからは恐れられ、嫌われ。
でも、あいつらは俺を受け入れてくれる」
すごく幸せそうな優弥。
こんな優弥を見ると、あたしまで嬉しくなる。
たかが優弥なのに。
「それに……」
優弥はあたしを見て、柔らかな笑みを浮かべた。
その細くなった瞳、少し上がった口角。
全てがあたしの胸を掻き回す。
そして再び、熱を持たせる。
あれ、おかしいな。
あたし、まだ酔っているのかな?