噂の年下男
優弥は優弥らしくない優しい顔であたしを見た。
相変わらず鼓動は狂ったように速い。
苦し紛れに視線を逸らすあたし。
こんなあたしに、奴はとどめを刺す。
「やっぱり、俺はアンタがいい」
あたしは優弥なんて願い下げよ。
なのに、頰が緩むのはなんでだろう。
「紅が好きだ」
あぁ……
もうッ……!!
優弥のくせに!
優弥なんて興味もないくせに!
身体が壊れそうなほど熱くて、全身でキュンキュンいって。
そして、すごく嬉しい。
認めなくないのに。
認めたら負けなのに。
あたし……やっぱり、優弥が好きなんだ。