噂の年下男
クールダウンのために
あたしは、ぼんやりとする身体を抱え、やっとのことでホテルに戻った。
優弥は何もしないから泊まっていけって言った。
だけど、これ以上優弥といると、あたしがあたしでなくなってしまいそうで。
慌てて優弥の部屋を飛び出し、タクシーに乗った。
「おい!夜一人でうろついたら危ねぇだろ!!」
あたしを心配してくれる優弥。
その心配すら苦しい。
もう、あたしに関わらないで欲しい。
優弥なんてごめんなのに。
なのに、どんどん惹かれてしまうから。
クールダウンするために、ミネラルウォーターを流し込む。
熱い喉に冷たい液体が染み渡る。
それでも、火照った頭は冷え切らなくて。
優弥を思い出して、悶えるあたしがいた。