噂の年下男
そんな訳で、それ以降優弥に会うこともなく、帰国便に乗るあたし。
気になっていた、乗客リストを見る。
遠藤優弥という名前は、もちろんない。
あいつ、アメリカに来て、何をしていたんだろう。
そんなことを考えるあたしに先輩が教えてくれた。
「艶、昨日の夜便で帰ったらしいわ。
ビジネスクラスらしいけど」
ファーストクラスでもビジネスクラスでも、やっぱりイラつく。
あいつ、相当稼いでるんだ。
そんなに稼いでいるなら、あたしにプレゼントの一つや二つ、買ってくれてもいいのに。
「変な乗客がいなくて安心しました」
あたしは先輩に言っていた。