噂の年下男





「へぇー、凄いですね、碧なんて」




竹本さんは感心したように言う。

そして、なんだか目を輝かせていて。

それで分かってしまった。




「もしかして……ファンですか?」




その言葉に、大きく頷く竹本さん。




「戸崎さん?

あの歌を聴いて、ファンにならないほうがおかしいですよ?」




竹本さんはそんなことを言う。

自分のことではないのに、なんだかくすぐったい。




「あ……あたし、よく聴いたことがないので……」




あたしは、遠慮がちに言った。



< 186 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop