噂の年下男






優弥のことなんて、どうでもいいのに。

それなのに、竹本さんの言葉に嬉しくなる。

そして、思わず言っていた。




「艶……全て考えているみたいです」




あたしの脳裏に優弥が浮かぶ。





夜中、優弥の家に行ったこと。

配線が入り乱れる、あの部屋。

そして、心を鷲掴みにされた、あのギターの音色。





だめだ……

優弥から離れようとするのに、あたしの中にはすでに優弥が入り込んでいて。

もがけばもがくほど、その傷口を開いていく。



< 193 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop