噂の年下男
優弥のことなんて、どうでもいいのに。
それなのに、竹本さんの言葉に嬉しくなる。
そして、思わず言っていた。
「艶……全て考えているみたいです」
あたしの脳裏に優弥が浮かぶ。
夜中、優弥の家に行ったこと。
配線が入り乱れる、あの部屋。
そして、心を鷲掴みにされた、あのギターの音色。
だめだ……
優弥から離れようとするのに、あたしの中にはすでに優弥が入り込んでいて。
もがけばもがくほど、その傷口を開いていく。