噂の年下男











食事を終え、店を出る。

楽しいけど、優弥について考えさせられる時間だった。







財布を出すあたしに、



「奢ります」



やっぱりそう言ってくれる竹本さん。

理想の男性だ。




それなのに……

あたしは、財布からお金を出していた。

素直に奢ってもらえばいいものを。

だけど、罪悪感でいっぱいだったんだ。

優弥に黙って男性と食事に行って、その上奢ってもらうなんて。







理想の男性竹本さんと食事をして、はっきり分かった。

竹本さんは理想だけど、好きではない。

あたし……

やっぱり優弥が好きなんだ。

優弥は全然理想ではないけど、すごく好きなんだ。







そして、竹本さんと店を出た時……



「うわっ!!」



急に聞き慣れた声がした。

あたしは思わず声のするほうを見ていた。




< 195 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop