噂の年下男
「たーくん♡」
あたしは、大好きな彼氏にもたれかかった。
たーくんは耳まで真っ赤になってもじもじする。
あたしにぞっこんだ。
そして、これがあたしの変な性癖をくすぐる。
「たーくん、お願い♡」
そう言って、その無精髭の生えた顎に手を伸ばす。
たーくんは眼鏡越しに緊張した瞳であたしを見た。
「ね、明日、パリまでフライトなの。
あの新作のブランドバッグ……欲しいな」
「いいよ」
たーくんはすぐに首を縦に振る。
そんなたーくんに、
「嬉しい!」
あたしは飛びついていた。