噂の年下男
「……ねーちゃん、何してんの?」
いつも通りの蒼を、恥ずかしくて見られない。
そして、
「紅」
あたしを呼ぶ優弥。
そんな優弥を、思いっきり睨んだ。
「あんたのせいよ!」
あたしは優弥に向かって怒鳴る。
「あんたのせいで、Fがすごいと思っちゃったじゃない!」
優弥は口元をにやりと歪める。
それが腹立たしい。
「あんたのせいで、新しい彼氏だって作れないし……」
なんでこんなにドキドキするの?
優弥を見ただけで、顔が熱くなるの?
派手ダサの優弥なのに。
可愛げもない年下男なのに。
「あんたのせいで……
あんたから、目が離せないじゃん!!」
あたしは大声で叫んでいた。
顔を真っ赤にして。