噂の年下男
しーん……
スタジオに沈黙が訪れる。
その沈黙の中、あたしの鼓動だけがやたら速い。
そして、みんなの視線、とりわけ優弥の視線にやられてしまう。
赤くなって下を向いたあたしに、
「それって……俺が勝ちってことか」
優弥が静かに聞く。
負けたくない。
好きって気持ちを認めたら負け。
絶対に優弥なんて好きにならないと思っていた。
だけど、新しい優弥に会うたびに、どんどん惹かれていくあたしがいた。
今やあたしの中は優弥で埋めつくされて、他の男性が入る隙間もない。
あたしの負けだ。
完敗だ。
「大切にしなさいよ」
口を尖らせて優弥に言ってやる。
「あたしを本気にさせた罪は重いんだから!」
優弥はあたしを見て笑った。
すごくすごく優しい笑みで、やっぱり胸がきゅんと言う。
甘くぎゅっと締めつけられた。