噂の年下男
その証拠に、
「紅さんっ!また会いましたね!!」
声が聞こえ、飛び上がった。
恐る恐る隣を見ると、そこに彼がいた。
派手なウェアに金髪。
変なサングラスをかけている。
……そう、優弥ちゃんだ。
そして案の定、優弥ちゃんの後ろには、蒼を含む奴らがいて。
「げっ。あんたたち来たの?」
あたしは顔を歪めた。
最悪だ。
二度とこの人たちを、たーくんと会わせるつもりはなかったのに!
「あー、もう、帰ろ!」
おもむろにたーくんの腕を引っ張ったが……
「じゃ、君たちエキストラね。
そこのボーダー集団に、ねーちゃんたち」
訳の分からない選考を受ける。
「よっしゃあ!」
喜ぶ蒼に、
「「よっしゃあじゃない!!」」
あたしと優弥ちゃんはハモっていた。