噂の年下男






「今日はこのアルバムの代表曲、『white』。

作詞作曲はもちろん艶(エン)。

……すげぇよな、艶って」




奴は気取って言う。

そして……

艶こと優弥ちゃんが口を開いた。





「碧、どういうつもりだ?

俺を持ち上げて」



「持ち上げてねぇよ。

いつも言ってんだろ、艶はすげぇって」




奴は相変わらずすまして言う。

普段のナヨナヨした蒼からは、考えられない言動だ。

そして、こんな蒼に不覚にも釘付けになってしまう。

それは蒼だけじゃない……優弥ちゃんにも。






「……まあいい」




優弥ちゃんは鼻で笑う。



< 36 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop