噂の年下男
あたしの大声に、スタジオは騒然となった。
少しだけ聞こえた彼らの魅惑の音楽は、あたしの怒鳴り声とともに滅茶苦茶になって消えた。
マイクで顔面を打ち付ける蒼。
慎ちゃんはピックを落とし、賢君はシンバルを強打した。
そして……
優弥ちゃんに至っては、ギターの弦が切れていた。
あたしは、そんな四人をありったけの嫌悪を込めて睨んだ。
こいつらのせいで……
こいつらのせいで!!
「あんたたちのせいだから!」
あたしは仁王立ちして、怒りをぶちまけた。
「あんたたちのせいで、あたし、たーくんにふられたの!」