噂の年下男
あたしの怒りはすさまじかった。
たーくんへの失恋を全て彼らのせいにして、八つ当たりする。
冷静に考えたら、かなり性格が悪いし大人げない。
だけど、今のあたしは冷静に考えることすら出来なかった。
こんな、闘牛のように暴れ回るあたしの心を鎮めたのは……
「忘れられねぇっすよね。
紅さん、本気だったから」
なんと、優弥ちゃんだったのだ。
あたしは優弥ちゃんを睨み、
「なによ、優弥ちゃんのくせに」
頰を膨らませる。