噂の年下男
それに……
「女たらしなんて、嫌だわ」
まさしくそこなのだ。
優弥ちゃんの女遊びの激しさは、蒼からよく聞いている。
悪いけどあたし、遊びの女になるのはごめんだ。
それなのに、優弥ちゃんはふっと笑い、あたしに言った。
「紅さんが本気なら、遊ばねぇっす。
それに最近思うんだ。
大切な人がいる奴は、羨ましい」
その言葉が本当だという証拠はない。
それほどまでに、優弥ちゃんは女と遊んでいるようだから。
だけど……
「今夜、飲みにいかない?」
あたしは優弥ちゃんを誘っていた。
もしかしたら、誰でも良かったのかもしれない。
あたしに猛アタックしている優弥ちゃんは、振り回すのにちょうど良かったんだ。
そして……
一人で過ごす夜の寂しさを忘れさせてくれると思った。