噂の年下男
優弥ちゃんなのに。
優弥ちゃんの癖に。
その言葉に胸を打たれた。
……そうだよ、優弥ちゃんの言う通り。
あたしは好きでもない都合のいい男に癒しを求めていた。
そして、きっと相手もあたしのことを本気で好きではなかったのかもしれない。
「これ以上貢ぐのが嫌で、蒼を口実に別れるんじゃねぇっすか?」
優弥ちゃんの容赦ない言葉が、ぐさりと胸に刺さった。
優弥ちゃんは酷い。
あたしの胸を滅茶苦茶に搔き回す、ドSだ。
ここ数年、男にこんなにはっきりものを言われたことなんてなかった。
それなのに、こんな年下男に……!!
だから、
「優弥ちゃん、あたしのこと、好きじゃないの?」
思わず聞いていた。
すると、優弥ちゃんは、おそらくまっすぐあたしを見つめたまま言う。
……その変なサングラスで、目までは見えないのだけれど。
「好きですよ。
好きだから、言うんです」