噂の年下男





あたしは、そんな優弥ちゃんをぼーっと見る。

アルコールも手伝ってか、やたら頰が熱い。






「なぁ……紅さん」




優弥ちゃんは煙草に火をつける。

それにつられ、あたしも煙草をくわえた。

すると、何も言わずに火を点けてくれる優弥ちゃん。

やっぱり女慣れしている。





「試しに俺と付き合ってみねぇ?」



「は?」




思わず聞き返す。

空耳かと思った。






「俺は今までの男より、絶対紅さんを大切に出来ます。

そして、絶対に紅さんを好きにならせてみせる」



「何言ってんの?」




あたしは、馬鹿にするように吐く。




「あたし、優弥ちゃんに全く興味ないんだけど」





だから、とっとと失せな!と言ってやりたい。




< 52 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop