噂の年下男
気持ちの変化
次の日……
あたしの乗った飛行機は、ミラノへ向けて空港を飛び立った。
昨日の深酒で頭痛がする。
だけど、気分は晴れ渡っていた。
失恋したあとは、大抵一人で沈んでいた。
誰かに話を聞いてもらう訳でもなく、部屋で悶々としていたのだ。
だが、例えあたしのタイプでもない彼とバーに行っただけでも、すでにたーくんのことは忘れかけていて。
代わりに、優弥のことばかり考えていた。
彼はあたしに、貢がないとか癒しにならないとか散々こぼした。
それならば、付き合う理由なんてない。
だけど、ヤケになってOKしてしまった。
どっちにしろ、あんな男に本気で惚れるはずがないのに。