噂の年下男
「CAさんは、誰が好きですか?」
そう聞かれ、とっさに
「艶です」
答えていた。
答えたあとに、なぜか真っ赤になる。
あたし……
何て話をしているのだろう。
しかも、艶……優弥が好きだなんて。
昨日の出来事を思い出し、胸が熱くなった。
あたし、全く自覚はないんだけど、優弥の彼女なんだよね?
ただし、お試しという条件付きで。
「艶も、かっこいいですよね」
彼女は言う。
「それに、Fの中でも飛び抜けてカリスマだし」
「カリスマ……ですか?」
あたしは思わず聞き返していた。
自分でも分からない。
艶の話をもっと聞きたいと思った。
……そうだよね、仮にもあたしは彼女。
優弥のことを何一つ知らないのは、さすがに失礼だから。