噂の年下男
優弥、趣味が悪いことは知っていたけど、女の趣味は服装以上に悪いらしい。
そんなことを考えると、やっぱり笑いは止まらなくて。
俺は賢一と慎吾とともに、大爆笑を続ける。
「紅さん、美人だもんな。
あの顔だったら、誰でも付き合いてぇだろ!」
賢一の言葉に、
「でも、性格はおっかない」
慎吾が言う。
そして、
「ヤバいよね。
鬼と鬼が付き合うなんて!」
涙をこらえて俺は言った。
正直意外だった。
優弥がねーちゃんを本気で狙っているのも、ねーちゃんが優弥との交際をオッケーしたのも。
あの二人が付き合っても、上手くいかないのは見え見えだ。
何しろキツすぎるから、性格が。
十八年間ねーちゃんにこき使われて育ってきた俺は、十九年目の今、優弥とともに活動しているけど、何も変わらない。
優弥もねーちゃんと同じく、俺を奴隷のように扱うのだ。