噂の年下男




ーーーーーー……

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どのくらい眠ったのだろう。

初めて優弥と会った時の記憶を、ありありと夢で見た。

そして、皮肉にもあたしの疲れは取れ、身体が元気になっていた。

時計を見ると、夜の九時過ぎ。

もうすぐ眠くなるはずのこの時間に、目が冴えわたってしまった。

時差ボケは恐ろしい。






何気なく携帯を取る。



すると……




ーお疲れ




優弥から返信が来ていた。

これが昼の三時。




ー元気になった?




それが夕方の六時。

そして、




ー時間がある時に、会えねぇ?




こんなメッセージがついさっき届いていた。







「アイツ……馬鹿じゃん」




あたしは笑っていた。




「あたしが寝てること知ってるのに、なに送ってんの?」





久しぶりにこんなに笑ったってほど、笑っていた。




たかが優弥なのに。

仮に付き合っているだけなのに。

なんだか嬉しかったんだ。

優弥と会えるのが、そんなに嬉しいの?




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