噂の年下男
だけど……
何だか楽しかった。
優弥との会話なんて、沈黙が多くてつまらないものだと思っていたのに。
この人、こんなに喋る人だったの?
「それでも、あいつはすげぇ。
Fも忙しいのに、朝七時には店に出勤して働いてる。
努力家だよな、ドラムだって高校生になってから始めたのに」
「そうなんだ……」
「それに、蒼も慎吾ももちろん努力家。
俺が奴らに無理させているから、何としてもいい思いをさせてやりてぇ」
優弥はそう言って、煙草に火をつけた。
そして、換気扇の下で吸い始める。
そんな優弥の話を、もっと聞きたいと思ってしまった、不覚にも。