噂の年下男
「難しい……
確かに相当練習しねぇと無理だろうな」
そのドヤ顔の鼻の穴に、箸でも突っ込んでやりたい。
「でも、俺はアイツらの魅力を最大限引き出せるように作曲している。
……アイツらじゃねぇと、無理だ」
やっぱりその話に聞き入ってしまう。
「蒼に合った声域。
奴にしか出来ねぇギターのコード。
慎吾はスラップが得意。
賢一はハイハットの扱いがやたら上手い。
そして、譜面に忠実だ。
奴らの得意をとことん考えて作っているから、奴らは出来る。
……だけど、不得意な奴は無理だろうな」