噂の年下男
そうなんだ。
優弥はメンバーの長所を考えて曲を作るのか。
さすがだな、優弥のくせに。
「じゃ、次の新曲は、あたしのための曲にして?」
そう言うと、
「遠慮しとく。
……つーか、アンタの曲とか言ったら、滅茶苦茶なヘビメタになるだろうよ」
「アンタ!?ベビメタ!?」
あたしは優弥を思いっきり睨み、脛を蹴る。
それで、奴は顔を歪めて脛を押さえる。
ざまぁみろだ。
不覚にも、優弥をすごいと思ってしまったあたし。
だけど、オチはこれだ。
蒼はもちろんのこと、実は賢君も慎ちゃんもお馬鹿な仲間だ。
そんなFの中で、唯一冗談が通じない奴が優弥。
だけど……
優弥も意外とイケるほうなのかもしれない。
というより、自覚無しで馬鹿をしているのかもしれない。