噂の年下男
……優弥、知っていたんだ。
蒼が精神的に弱っていたこと。
姉のあたししか知らないと思っていた。
ヘナチョコの蒼なのに、カッコいい碧にはなりきれない。
そんなことで、奴は悩んでいた。
だけど、今となっては昔の話。
奴は今、唯ちゃんという彼女を手に入れて、公私ともに楽しそうだ。
「そんなんだから……
余計俺も頑張らねぇと。
あいつらに迷惑かけっぱなしじゃいけねぇ」
あたしは、なんだかよく話す優弥を見ていた。
金髪で、変な服を着ていて、彼氏だと思いたくない優弥。
考えていることも、ふざけていると思っていた。
だけど、意外にもちゃんとしていて驚いてしまう。
そして、少しだけ見直した。
……少しだけ。