噂の年下男
「……なぁ」
不意に優弥に呼ばれてビクッとした。
あたしとしたことが。
今日は完全に優弥のペースだ。
優弥はあたしを見る。
別に睨んでいるわけではないのだが、ガン付けられているみたいだ。
目つきが悪いからか?
だからあたしも睨んでやる。
すると、
「おっかねぇ女だ」
何度か聞いた決め台詞。
おっかねぇと思っているなら、もっとあたしの言うことを聞きなさいよ。
優弥はじっとあたしを見たまま口を開いた。
「明後日、暇?」
あたしはこくりと頷く。
すると、奴は言った。
「デートしねぇ?」
「!!!?」
あたしは、声にならない声を出していた。