君がいたから
「私も元カレとこの店よく来てたよ。で、彼がここのケーキ美味しいよっておすすめしてくれてから好きになったんだ。だから、私もケーキ食べてたら彼を思い出しちゃうよ…」
美香は寂しそうな顔して言った。
「えっ!?」
泣いていた祐希は急に驚いた表情に変わった。
「俺たちどこか似てるよな…。」
祐希も寂しそうな顔で言った。

…。
…。
…。

しばらくの沈黙が続く。すると美香が口を開いた。
「もう、お互い昔のことだからこの話はやめようよ!せっかく楽しいのに。」
美香は急に笑顔になり言った。
「でも…」
祐希はまだ落ち込んでいる。
「でも、じゃないの!男じゃない!しっかりしてよ、も~!」
美香は少しイライラしているようだった。
「ご…ごめん。」
祐希は慌てて謝った。
「それでよし!」
美香はまた笑顔で言った。祐希はそんな美香の笑顔にいつしか何かを感じていた。
(この子の笑顔見てたらなぜか落ち着くんだよな~。)
< 11 / 41 >

この作品をシェア

pagetop